矯正歯科治療は公的健康保険適用外の自費(自由)診療です。
項目 |
内容 |
価格 |
矯正相談 |
患者様を交え、歯並びについて相談をお受けいたします。 |
3,300円(税込) |
セカンドオピニオン |
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5,500円(税込) |
検査・診断料 |
矯正治療を始めるにあたり、レントゲン写真、顔やお口の中の写真など様々な資料をとります。検査で採得した資料に基づいて治療計画(期間、装置)を決定し説明いたします。 |
55,000円(税込) |
矯正治療費
矯正装置の材料、接着剤、メタルワイヤー、装置が脱離した場合の材料代が含まれています。
項目 |
内容 |
価格 |
小児矯正 |
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495,000円(税込) |
成人矯正 |
上下メタルブラケット |
770,000円(税込) |
上はクリア、下はメタル |
880,000円(税込) |
上下クリアブラケット |
990,000円(税込) |
マウスピース型カスタムメイド矯正装置(インビザライン) |
1,100,000円(税込) |
ハーフリンガル【上は舌側(裏側)、下は唇側(表側)クリアブラケット】 |
1,430,000円(税込) |
リンガル 【上下舌側(裏側)】 |
1,760,000円(税込) |
部分矯正 |
メタルブラケット |
1歯につき44,000円(税込) |
クリアブラケット |
1歯につき55,000円(税込) |
舌側矯正(裏側矯正) |
1歯につき77,000円(税込) |
調整料・定期検査料 |
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6,600円(税込) 裏側矯正の場合8,800円(税込) |
保定管理 (検診+クリーニング) |
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6,600円(税込) |
その他 |
ホワイトワイヤーまたはゴールドワイヤー |
1本につき5,500円(税込) |
歯科矯正用アンカースクリュー |
1本につき33,000円(税込) |
ヘッドギア作成 |
16,500円(税込) |
診断書発行 |
2,200円(税込) |
他医院への紹介状・依頼状作成 |
550円(税込) |
パントモ撮影 |
3,300円(税込) |
セファロ撮影(正貌・側貌) |
5,500円(税込) |
コンポジットレジン修復 |
1歯につき2,200円(税込) |
保定装置作成 |
33,000円(税込) |
転院資料作成料 |
16,500円(税込) |
他医院で装着した矯正装置撤去 |
1歯につき2,200円(税込) |
こちらで患者様をお迎えいたします。
じゅうたんを敷いた待合室のスペースは土足となっておりますので、靴を履いたままお入りいただき、ソファーに腰掛けて、スリッパにお履きかえください。
矯正やインプラトなど、口腔の美と健康に対する意識が高い方へ、上質な空間と施術を提供することをコンセプトに作られた、タカラベルモントのネクステージを採用しています。やわらかい質感を持ったソファ感覚のゆったりワイドな幅のフルフラットシートで、疲れにくい快適な施術を受けることができます。
こちらは、ブラッシングやうがいをしていただくコーナーです。治療に入られる前に、歯磨きをしたい方は申しつけください。当医院おすすめのホームケアグッズの中からその方にあった歯磨きペーストを自由に使っていただくことができます。大きな鏡の前で、ご自身で付け外しをする矯正装置の着脱の練習をしていただくコーナーでもあります。
大学病院でも導入されている、セファロ・パノラマX線撮影装置AZ3000CMを採用しています。矯正治療の治療計画・診断をたてるにあたって、レントゲンによる精密検査は必要不可欠です。
口腔内を診察する器具類はもちろん、高圧蒸気滅菌機(オートクレーブ)を用い、無菌化したものを用います。患者様ごとに新しいグローブを用いることはもちろん、紙エプロン、紙コップ、紙トレーなど、使い捨てにできるものはデイスポーザブルの物を採用しています。
数年の年月を経て美しく整った歯。矯正装置を取る日は、そんな歯並びと対面する日です。いよいよ待ちに待った「矯正装置をはずす」日の到来。装置を取る時には、麻酔などは使わず、まさに「一気にはずす」感じです。時間はほんの10分程度で終了し、その後、正しくキレイになった歯型をとります。その解放感から、つい「長かった治療もこれで完了!」と思いがちだけど、実は大切なのはここから!
治療が終わって数年、数十年経ったとき、治療直後のようなキレイな歯並びがキープできているかどうか。それは、矯正装置がはずれた後の保定観察期間の過ごし方に関わってきます。歯が新しい位置になじむまでは、保定装置をマジメにつけて、歯の後戻りを防ぐべし!
ところで、ホテイとは?
動かした歯が元に戻らないように保定装置(リテーナー)をつけて、正しい歯並びをキープする期間のことです。人為的な力を加えて動かした歯並びには「後戻り」あるいは「新たな不正」という現象が起こります。人の体は、成長・発育や加齢などで変化し続けています。これは口の中も同じで、歯は動かしたところにそのまま留まっているということは少なく、元いた場所に後戻りしようとしたり、新たにどこかに動こうとする力が常に働いているのです。まったく元の歯並びに戻ってしまうことはないらしいけれど、せっかくのキレイな歯並びはいつまでもキープしたいし、後戻りがひどくてもう一度矯正したい・・・なんてことにならないためにも、この保定処置をしっかり行いたいものです。
今までの苦労を水の泡にしてしまうような反作用(後戻り)と戦って、歯のまわりの組織を新しい環境になじませなきゃいけないのです。
リテーナーとは?
矯正前の位置に戻ってしまおうとする歯の力を抑制し、いつまでも正しい歯並びを保ち続けるための装置で、マルチブラケット装置とは違い、ものをかむときなどに生じる痛みはまったくありません。
取り外しができることがネックになって装着をサボれば、せっかくキレイに整った歯並びも元の悪い歯並びに戻ってしまいます。歯を動かしているプロセスと同じくらい、いや、それ以上にアフターケアは大切になります。つまり、正しくキレイな歯並びをできるだけ長くキープしたいと思うのであれば、一生つけるくらいの気構えが必要となってきます。
通常、リテーナーは動的期間と同じくらいの装着期間が必要とされていますが、なかには「リテーナーは歯のパジャマとして、毎日寝るときにつけていたほうがいい」という考えもあります。
保定処置は、後戻りの激しい最初の6ヶ月が勝負。この間にしっかりリテーナーとつき合っていれば、治した歯並びは安定し、6ヶ月後には、改造現象といって、歯の線維などが環境に適応して戻りが少ない状態に落ち着いていきます。この6カ月をがんばることができれば、リテーナーを使う生活にも慣れ、その後もきちんと続けられる確率がアップします。リテーナーによる保定は最低1年、できればずっと続けたいもの。なぜなら、前にもあげた通り、歯は一生動き続けるものだから。
治療には装置をつけて歯並びを整える期間と、整った歯並びを固定する期間があるのです。
矯正中に気になるのは、食事のこと。食べちゃいけないものがいろいろあるって聞くけど・・・。と不安を感じる人もたくさんいると思います。でも、本当は食べちゃいけないものなんて全然なし!矯正中でも、好きなものを好きなだけ食べられます。
ただ、食べ方に気をつけたいもの、食べにくいものはいくつかあります。
甘いものを食べて、お菓子の砂糖が歯を溶かすから、むし歯になる?答えはノーです。
正しくいうと、むし歯菌が吐き出す酸が歯を溶かしてしまうから。むし歯菌は誰の口の中にもいて、糖分が大好物。ここでいう糖分とはケーキやクッキーに使われる砂糖のことだけではありません。ごはんもパンも、食べ物の多くは口の中で糖分に変わります。だから、歯にくっついた食べカスを見つけると、むし歯菌は喜んで活動し出すというわけです。
むし歯は、細菌、食物、歯の状態、時間経過の4つの条件が重なったときに発生します。歯の周囲にはプラーク(歯垢)という粘着性のある膜が形成されていて、むし歯の原因菌であるミュータンスレン球菌のすみかとなっています。
砂糖や穀物類といった炭水化物が口内に入ると、細菌はその中に含まれる糖類を摂取し、酸を放出します。この状態が続くと、プラーク内は酸性に傾いていきます。通常、口内は酸性度を示す値(pH)が6.5~7.5で中性を保っていますが、この値が5.5以下の酸性に傾くと、歯にとっては危険な状態。歯のエナメル質の主成分であるリン酸とカルシウムが溶け出し(脱灰)、やがて初期むし歯が発生します。歯の表面のエナメル質は耐酸性が高いため、初期の脱灰は歯の表層下で起こります。しかし、溶解が続くと表層も耐えきれなくなり、崩れて歯の表面に穴が空いた状態に。こうなってしまうとむし歯は一気に進行して、治療が必要となります。
むし歯菌 ・・・・ 数あるむし歯菌の中で、もっともやっかいなのがミュータンス菌。その数が多いほど、むし歯になりやすいと言われています。
プラーク ・・・ 歯の表面についた白っぽいネバネバ=「歯垢」。これは単なる食べカスではなく、生きた細菌の大集団のことです。食べ物中の糖類と口内の細菌によってつくられる物質で、細菌が塊となり、粘着性のある膜となって歯の周囲に付着します。これがプラークの正体。1mg当たり10~100億個もの細菌が存在します。プラークは形成されて24時間後には目に見えるほどに成長していき、そのままにしておくと、やがて石灰化して歯石となります。
口内環境とは?
口内環境とは、歯や唾液、口腔細菌などを含めた口内全体の状態のこと。
健康な歯をキープするためには、この環境をよい状態に保つことが大切です。
物を食べることがきっかけとなって、口内では日常的に「脱灰・再石灰化サイクル」が繰り返されています。「脱灰」の時間を減らし、「再石灰化」を促すことが、口内環境をよい状態に保ち、むし歯を防ぐことにつながります。
P ・・・・・・ リン酸
Ca ・・・・・ カルシウム
初期むし歯 ・・・ 再石灰化により健康を増進できる可能性のある、歯表面に穴が空く前の状態のこと。
脱灰 ・・・・・・ 物を食べたり、飲んだりするとむし歯菌(ミュータンス菌)が、"糖"を食べて"酸"を吐き出します。その酸で歯の表面から溶けていくこと。
再活性化 ・・・・ むし歯菌によってとかされてしまった歯を唾液の力で元に戻す自然修復する働き。
知覚過敏とは、むし歯でもないのに、冷たい(温かい)もの、酸味の強いものを飲食したり、歯磨きをしたとき、歯に風が当たったりしたときなど、一時的に「キーーーーン!!」、「ズキン!!」、と歯がしみる症状のことで、一口に知覚過敏と言っても原因や症状、痛みの知恵度は人それぞれです。
(むし歯が原因で知覚過敏になる場合もあります。)
知覚過敏の症状としてもっとも大きな特徴なのが、「一時的に歯がしみる」ということです。
程度にもよりますが、むし歯の場合、慢性的な痛みを伴うことが多いのに対し、知覚過敏の場合は冷たいものを食べたり飲んだりした時などに、その痛みは持続しないことが多いのです。
ですので、歯が染みる症状が軽く、その症状が一時的だとしても、冷たいものを飲食したり、歯に風が当たったときなどに歯がしみれば知覚過敏の可能性が高いと言えるかもしれません。〈症状が進むほど、温かいものまでに歯がしみるようになります。)
知覚過敏は歯の表面部分のエナメル質が何らかの原因で傷つき、削れてしまうことによって象牙質が露出し、象牙質に様々な刺激が加わって、象牙細管→歯髄神経→脳に刺激が伝わり、「ズキン!」といった歯がしみる症状へとつながります。
ですので知覚過敏の直後の原因は「エナメル質が傷つき、削れた結果、象牙質が露出してしまう」ことなります。(そのため知覚過敏は『象牙質知覚過敏』と呼ばれています。)
そして露出した象牙質に、
・冷たい(温かい)飲食物
・甘いもの
・歯垢(プラーク)
・歯ブラシ
・風
などの刺激が加われば、「ズキン!」、「キーン!」、といった歯がしみる症状となるのです。なぜエナメル質(セメント質)が傷つき、削れてしまうのでしょうか?
この原因は一つではなく、ここにあげた原因以外にも様々な原因が考えられます。
歯肉や歯根膜、歯槽骨など、歯を支える土台を「歯周組織」と言います。
歯周病とは歯周組織が歯垢の毒素が原因で破壊されてしまう病気で、歯肉炎と歯周炎があります。
歯肉が赤くはれたり、出血したりする軽い症状を歯肉炎、
病気が歯肉だけではなく、歯槽骨とよばれる歯を支えているあごの骨までおよんでしまった状態を歯周炎といいます。
歯周病には日本人成人の9割程度がかかっていると歯科疾患実態調査では報告されています。
下の症状が当てはまる方は、歯周病の可能性があります。
歯周病の直接の原因は、プラーク(歯垢)です。プラーク中にはむし歯菌や歯周病菌が、1mg中になんと1億個以上いると言われています。この中の歯周病菌は歯磨きを怠ったり、砂糖を取りすぎたりすると、歯周ポケット内で異常に増殖し、それらが産出する毒素や酵素によって歯周組織に炎症を起こし、歯槽骨を溶かす歯周病へと進行していきます。
歯周病の原因は、プラークのほか、歯ぎしり(無意識のうちに過大な力をかけ、歯の骨に負担をかける)、喫煙(血行障害を起こし口の中の抵抗力が弱まる)、偏った食生活、ストレス、糖尿病などが挙げられます。特に40代後半からは歯茎が老化して歯の間の隙間もできやすくなるため、歯周病のリスクがグンと高くなるのです。
歯周病になるのは簡単、治すのは大変。歯周病の主な原因は、『プラーク』だから、予防の基本は『プラークコントロール』!
正しい歯磨きをすることで歯茎の炎症は驚くほど改善されます。ブヨブヨに腫れた歯茎でも、やわらかめの歯ブラシで適切に磨けばだんだん引き締まってくるし、血が出なくなることだってあります。「歯肉炎」の段階なら、ほとんどの方が毎日の歯磨きで汚れをきちんと落とせば治ります。日々の歯磨きはとても大切なのです。
キシリトールは天然素材の甘味料=多くの果実や野菜の中に天然で含まれている自然の甘味料です。主に白樺やブナの木から生産されています。甘さは砂糖と同じでカロリーは25%低く、むし歯の原因となる酸を作りません。しかも、長期間かみ続けるとむし歯菌が弱まってきて、むし歯ができにくくなります。
食べ続けると、2週間で歯垢が減り始め、3ヶ月ほどでむし歯になりにくくなると言われています。むし歯予防のためには毎日続けて摂ることが大切です。キシリトールだけではむし歯は防げません。歯磨きやフッ素塗布などの毎日のケアにプラスすることで効果を発揮します。
むし歯予防として、日常的に摂取して頂きたいキシリトールですが、製品によってかなりの違いがあります。キシリトール量は効果に直接影響します。その製品が効果的であるほど、キシリトール含有量は多いのです。含有量が低いものであれば、砂糖ガムをかんでいるようなものです。
現在、スーパーやコンビニなどで売られているガムのキシリトール含有量は50%程度です。なぜなら、キシリトールは湿気に弱く、べたついてしまうため、品質保持が難しいのです。効果的にキシリトールを摂取していただくには当院や歯科医院で販売している100%キシリトールガム・100%キシリトールタブレットをおすすめします。(現在、日本では歯科医院のみでの販売となっています。)
お母さんのむし歯が、赤ちゃんにうつってしまうってほんと?
現在では、むし歯は「むし歯原因菌(糖分を分解して歯を溶かす酸をつくる)」による感染が原因であることがわかっています。特に「ミュータンス菌」という原因菌が、口の中にうつり、繁殖することで、むし歯が起こりやすくなるのです。生まれたての赤ちゃんの口の中には、むし歯原因菌はありません。周りの大人が、唾液を介してうつしてしまうのです。お母さんにむし歯が多いと、赤ちゃんもむし歯になりやすいという研究も報告されています。
キシリトールで、お母さんと赤ちゃんのむし歯を防ぐ
子供のむし歯予防は、お母さんのお腹の中にいる時から始まっています。
妊娠中は"つわり"のために、歯磨きが困難になることがあります。妊娠期間は、むし歯になりやすい、むし歯菌が増えやすい、とても危険な状況といえます。だからといって、むし歯予防のために、お母さんに無理をさせるわけにはいきません。「どうやってむし歯を防げばいいの!」と思うのも無理はありません。そんなお母さんたちに注目してもらいたい最新の研究が、岡山大学で進んでいます。
仲井博士:産婦人科の先生の協力を得て、歯磨きだけのお母さんと、キシリトールガムを毎日かんだお母さんの2つのグループで、赤ちゃんのむし歯を調査しています。
妊娠中にお母さんが「キシリトール」でむし歯予防をすることで、生まれてくる赤ちゃんのむし歯も防ぐことが出来るのでは。この研究は先日、途中経過としてその成果が発表されました。
仲井博士:キシリトールをとっているお母さんのグループの赤ちゃんたちは、そうでない赤ちゃんたちに比べ、生後1歳の時点で、むし歯原因菌が見つかる確率が1/5以下と、明らかな効果が現れました。
妊娠中の気分の悪いときでも、キシリトールガムやタブレットなら気軽に取り入れられそうです。
仲井博士:赤ちゃんができたら、家族でキシリトール。むし歯予防の新しい習慣として定着すれば、赤ちゃんのむし歯をもっと楽に減らせるかもしれません。キシリトールを上手に使って赤ちゃんを守ってあげてください。
むし歯予防効果が一番現れるのはこの時期!
最新の研究によって、お母さんからお子さんへむし歯菌が感染する時期が明らかになってきました。それは、生後19~33ヶ月、ちょうど1.5~3歳の間です。
この期間に細心の注意を払っておけば、むし歯菌の感染そのものを生涯に渡って防ぐことができ、あるいは感染の時期を遅らせることにより自分の歯で生活できる年数が長くなります。
食べ物や飲み物に含まれた糖分をエサに、酸をたくさんつくり出すミュータンス菌。この酸が歯のエナメル質の表層下から大切なカルシウムやリン酸を溶かし出してしまうことを脱灰(だっかい)と言う。そしてその後、脱灰を起こした部分では唾液が活発に働いて、失われたミネラルを補充する。その働きが再石灰化。歯の表面では飲食のたびにこうした脱灰と再石灰化が繰り返されている。おやつなどの飲食回数が多いとむし歯になりやすいのは、脱灰が何度も起きて口の中が酸性状態になることが続き、再石灰化が追いつかなくなるため。
下のグラフは、1日3度の食事とおやつ以外は食べ物を口にしない人と、3度の食事のほかに間食をする人の比較です。頻繁に食べ物を口にする人は、1日に何度もお口の中が酸性になり、むし歯が発生しやすい口内環境にあります。キャンでディーやジュースなどをしょっちゅう口に入れていると、それだけでむし歯になりやすいのです。食事はできるだけ「まとめて」、「間食を減らす」を心がけてほしいです。規則正しい食生活を送ることは、口内環境にとっても大切なことなのです。正しい食習慣とオーラルケア習慣を身につけ、いつまでも健康な歯を保ちましょう。
「フッ素」は、化学的に合成されたものではなく、自然界に広く分布している歯を強くする自然元素のひとつです。地球上の全ての動物や植物にも含まれており、私たちが毎日飲む水や、海産物、肉、野菜、果物、お茶など、ほとんどの食品にも微量ながら含まれています。もちろん、これらを摂取する私たちの歯や骨、あるいは血液中にもフッ素は存在しています。歯質強化効果が最も高いことから世界各国でむし歯予防に利用されています。フッ素は他の薬品と同じように、適量を使用している限り、安全性にも問題はありません。それに加えて1日3回、食後にキシリトールを摂れば、むし歯の原因となる菌をおさえ、歯をガードします。そこではフッ素が寄り効果的に働き、さらにむし歯予防効果がアップします。
フッ素には、次のような予防効果があります。
フッ素の働き
1.歯の再石灰化を促進する
歯が溶かされ始めた部分を修復し、初期むし歯を正常に戻してくれます。
プラークの中で作りだされる酸によってカルシウムやリンなどのミネラルが溶け出します。これを脱灰といいます。脱灰が進むとむし歯になります。
ごく初期の脱灰部分には、唾液中のカルシウムイオンやリン酸イオンが再び歯にもどって修復されます。これを再石灰化といいます。
2.歯の質を強くする
フッ素は歯の表面を硬くします。
むし歯菌の酸に溶かされにくい強い歯にする効果があります。
3.むし歯菌の働きを弱める
むし歯菌の働きを邪魔して、歯を溶かす酸を出しにくくする効果があります。
対象
フッ化物の応用は、以下の方に特に有効といわれています。
●4歳から15歳くらいまで生えたての歯は、表面のエナメル質といわれる部分が成熟していないため、この時期は、フッ素に寄るむし歯予防効果が特に期待できます。
●矯正治療中の患者様のむし歯
●成人の歯と歯の間にできるむし歯
●高齢者の根面にできるむし歯
フッ素は、あくまでもむし歯の予防と初期のむし歯の進行抑制に対してのみ有効です。すでに穴があいていたり、痛みが出てきているような進行したむし歯がある場合には、できるだけ早く歯科医院を受診することをおすすめします。
当院で販売しているフッ素剤はこちら
「バイオフィルム」は、菌が産生した粘液状の隠れ家の中で、細菌の塊を形成した状態をいいます。イメージ的にはビニールハウスに守られた中で、ぬくぬくと細菌たちが気持ちよく居座っている状態です。バイオフィルムはむし歯だけではなく歯周病の原因にもなります。バイオフィルムを退治するには、抗菌剤などの薬剤では歯が立たず、機械的に破壊して除去するしか方法がありません。したがって、歯磨きでバイオフィルムを掻きだすことが基本ですが、歯磨きって簡単のようでかなり難しいのです。特に歯と歯の間とか歯と歯茎の間など、どうしても磨き残しが出やすいのです。
バイオフィルムは少しでも取り残しがあると、すぐに増殖し始めるので、完全に除去することが大事です。そこで登場するのが、お口のクリーニング(PMTC)。お口のクリーニングとは、「専門家による歯の面の機械的清掃」で、歯ブラシでは完全に取り除くことが難しいバイオフィルムを除去することができます。
クリーニングの詳しい内容はこちら
キシリトールについてはこちらから
口の中のトラブルのほとんどが、正しい歯磨きで予防することが出来ます。むし歯や歯垢の原因となるプラークは口の中で増殖し、食べカスは約24時間以内にはプラークとして歯や歯石に付着し、そのまま放置すると歯ブラシでは取れなくなります。そして、むし歯になります。
また、食事や間食ごとに歯を磨いているから時間は短くても大丈夫ということはなく、1回にかける時間が短ければ歯垢は落ちず5回でも10回でも洗っても意味はありません。時間を分散して回数を増やすより最悪1日に1回の歯磨きでいいので、時間をかけて丁寧に歯磨きをし、プラークを落とす方が効果的。
何度も歯を磨くことを習慣づけるのはなかなか難しいので、1回出来れば朝夜の2回で、確実にプラークを落とせます。プラークコントロールは、たまにやるのでは意味がなく、毎日の積み重ねが最も大切です。
*就寝前は、特に念入りに磨くことが大切
夜は特に細菌が増殖する時間で、非常に活発に活動します。寝ることで、口の中の清潔を保つ唾液の分泌が少なくなり、そこに食べカスがあれば雑菌は大喜びで、大増殖するのです。食後の細菌の数を基準にして、歯磨きをしないで寝た場合、朝起きた時の細菌の数は約30倍!!!
*輝く白い歯とピンクの歯ぐき
着色汚れ=ステインは、ある日突然付いてしまうのではなく、少しずつ蓄積するもの。知らず知らずのうちに、あなたの歯もステインで汚れているかも知れません。対策は、正しいブラッシング。歯垢を落としてむし歯を予防することが、ステインを落として歯本来の白さを取り戻すことにもつながります。さらに、歯ぐきを丁寧にブラッシングしてマッサージすることで、ピンク色のきれいな歯ぐきを手に入れちゃいましょう。
*マウスウォッシュは歯磨きの代わりにはなりません
時間がない、面倒だからと、「歯磨きはせずに市販の洗口液(マウスウォッシュ)で口の中をすすいでおしまい!」という人はいませんか?確かに口の中はさっぱりしますが、これだけでは、すっきり感はあっても歯についた汚れを十分に取り去ることはできません。きちんと歯磨きをしたうえで、最後の仕上げとして使用しましょう。
*ケア次第で、生涯使える「自分の歯」
一生、自分の歯でおいしく食べるために、歯を1本でも多く、健康に保ちたいものです。しかし現実には、私たちには、歯周病やむし歯によって次第に失われていく傾向にあります。厚生労働省の調査によると、60歳の人でも平均8本、70歳の人では平均16本程度の歯を失っています。それでは、年齢とともに歯が抜けるのは仕方ないことなのでしょうか?答えはNO。歯周病やむし歯は歯茎の健康をおびやかす「病気」です。毎日、適切なケアをすることで、歯周病やむし歯は防ぐことができますし、その結果、高齢になっても歯を失わずにすむのです。
10年前に比べ、1人あたりの平均のむし歯の数は減少傾向にあります。この背景には、小学校などで定期的に検診が行われ、早期発見により適切なケアがされるようになったことが挙げられます。一方、痛みがないまま進行するので、「歯周病予備軍」の人はまだ多いのではないかと見られています。
Point1. 歯ブラシはペングリップで持つ
えんぴつと同じ持ち方で、軽く握ろう!
ギュッと力を入れて握ると、歯ブラシを左右に細かく動かしにくくなってしまう。
この持ち方だと、
・力の入れすぎで、歯や歯ぐきを傷つけることはない。
・狭いお口の中も、自由自在に動き回れる。
エナメル質はキズつきやすい!
・再石灰化を繰り返し、歯ブラシで表面をきれいに磨かれたエナメル質の表面。
・つるつるしていて表面に溝が見えます。このみぞは歯ブラシの毛先によってできた傷。
・歯ブラシの動かし方が大きすぎると歯の表面が歯磨き粉の中に入っている研磨剤で削れてしまって歯を痛めることがあります。
Point2. 歯磨き粉の量は少なめ
歯磨き粉の量は少なめで、歯ブラシの3分の1の量で充分。あまりつけすぎると歯磨き粉のスーッとした爽快感や泡で歯を磨いた気分になってしまいます。口の中がスッキリしても、全体を磨けていなければプラークはくっついたままです!!
Point3. 小刻みに1本ずつ
・歯ブラシの毛先を歯と歯の間に入れたまま1~2mmの幅で小刻みに動かして磨きます。汚れを落とすとともに、歯茎のマッサージ効果も得られ一石二鳥です。
・小刻みに1~2本づつ。力を入れずに1ヶ所20~30回磨きます。
詳しい磨き方はこちら
食べたら磨くを習慣に!プラークのつきにくい歯になるよ
自分に合った歯ブラシで
適切な歯ブラシの選び方ですが、本来は目的に応じて歯の隙間を磨くときは先の細い物を、歯垢を落とす時はかための弾力性のあるものを等と、それぞれにあった歯ブラシを複数本そろえて使い分けるのが理想的ですが、何種類もそろえて使い分けるのは面倒くさく、面倒くさくなっておろそかになるよりは、1本でしっかりと磨く方がいいです。
以下のような歯ブラシがプラークを効果的に除去することができ、口腔組織を傷つけることなく使いやすいものでしょう。
ブラシのかたさはかたすぎると歯茎を傷つけてしまうし、やわらかすぎると歯の表面の歯垢がきちんと落とせないので普通のかたさのもの。歯周病の人は、まずやわらかなものを使い、歯肉に歯ブラシを当てても痛みがなくなったら普通のかたさのものに換えましょう。
毛束間にすきまがあるもの。毛束があまり密集したものはかえって磨きにくく、不潔になりやすい。
歯肉を傷つけにくい。痛みもなく磨ける。
乾燥しやすく、毛の弾力もちょうど良い。
毛の材質も色がついているものは色素で材質の強度が落ちやすく、動物性の毛などは細菌が口に入る可能性があるので透明なナイロン製がよいでしょう。
★ワンポイントアドバイス
歯ブラシにはたくさんの細菌がついています。歯ブラシを使ったあとは、コップなどに逆さまにしておくと不潔になって細菌が増殖する場合があります。流水で十分に洗い、よく水を切って、風通しのよいところへ。
歯ブラシの当て方
1本ずつ小刻みに細かく振動させる
歯ブラシをイラストのように45°の角度で当てて、歯周ポケットの奥に入らせるように磨きます。歯茎のマッサージもできる磨き方です。
★歯と歯茎の境目を磨く時におすすめのブラッシング
歯ブラシの毛先を歯の面に垂直に当てて磨きます。大きく動かしすぎて横磨きにならないように注意しましょう。毛先を強めに押し当てて、小刻みな振動を与えると、毛先が歯と歯の隙間まで十分に届きます。このブラッシング法を使いこなせるようになると、歯周病の予防と治療にも効果的な磨き方です。
★歯の表面を磨く時におすすめのブラッシング
ほぼ円柱形をしている歯を6面体と考えて表側の正面と左右、裏側の正面と左右の6つの方向から縦方向に1本づつていねいに磨いていく方法です。歯並びの悪い方におすすめの磨き方です。
★歯と歯の間を磨く時におすすめのブラッシング
しっかり磨きたい場所はここ!!
磨き残ししやすいので、むし歯になりやすい場所!!ここを意識して歯を磨こう。
歯と歯茎の境目
歯と歯の間
上、下の前歯の裏
咬み合わせの面
奥場の外側
デンタルグッズ
歯垢を徹底排除!1日1回は歯間ブラシやフロスを使おう
基本の磨き方がマスターできたら、さらにステップアップ。自分の歯並びにあった歯間ブラシやデンタルフロスをチョイスして、より効果的なプラークコントロールをめざそう。
毎食後、歯みがきできない人でも、1日1回徹底的にプラークを落とせば、むし歯のリスクをかなり減らすことができます。それには、就寝前の念入りケアが最適です。
「睡眠中は唾液の分泌量が減るので、プラークが残っていると日中よりもむし歯菌が増えやすい状態になってしまいます。寝る前のケアは丁寧に、ぜひフロスや歯間ブラシも活用してほしいです。」
歯ブラシ1本でブラッシングすると、
歯と歯の間のプラークの除去率が50%
デンタルフロスや歯間ブラシを用いるとその数字は90%にまでアップします。
<フロスの使い方>
(1) フロスの長さは約40cm。(指先からひじまでが大体の目安)
(2) フロススレッダー(糸通し)の輪の中にフロスを通す。
(3) 両手の中指の関節辺りにゆるく巻きつけ、10~15cmくらいの間隔になるようにする。
(4) 両手の親指と人差し指でつまんでピンと張ってみたとき、幅が2~3cmになるようにする。
(5) 歯と歯の間にゆっくりスライドさせながら入れていきます。歯の側面をこするようにして汚れを落とします。
*コンタクトポイント ・・・・・・ 歯と歯の接触しているところを通過するときは少しきつい感じがしますが、パチンと勢いよく入れると歯ぐきを傷つけてしまうので注意して下さい。
歯と歯ぐきの境目よりちょっと下、つまり歯ぐきに少し隠れるまでフロスを入れます。
ここが一番歯垢がたまりやすい部分。そして、歯に合わせているフロスがVの字になるように!
沿わせたらゆっくり前後に動かしながら上へ。歯の片側を掃除し終わったら、もう片方の歯にも沿わせてお掃除しましょう。次の歯間に移るときは使用済みの部分をずらして、常に新しい部分でお掃除して下さい。すべての歯間をお掃除し終わったら軽くうがいをしましょう。